福島県三春の製麺の歴史
東北の小さな城下町、福島県三春町。
国指定天然記念物、桜としては日本一の「滝桜」で有名なこの地はかつて「三春素麺」の産地でした。
正徳5年(1715年)に出版された江戸時代の百科事典「和漢三才図会」には
京都、三輪、三原、三春、松山が素麺の名産地として紹介されています。
明治期以降、小麦の生産量が減り幻になってしまった三春素麺でしたが
やない製麺が永年の研究のもと現代に伝統製法と伝統の味を復刻し受け継いでいます。
手縒(てより)めん
やない製麺の「手縒めん」は自然豊かな福島で昔から変わらぬ味をいまに伝えています。
天候の変化に左右される麺づくりにおいて重要なのが職人の経験。
早朝にその日の天候を考えて、塩や水の分量を決めます。
天候予想、分量判断、いずれも長年の経験が物をいう職人技です。
さらに「かけば」は熟練の技が必要です。二本の棒に、8の字にあやがけしていく作業で、
麺の状態を見ながら、最も適した時間、ほどよい力を加えながら麺の太さを均等にしていく
まさに職人技です。
こうした工程ひとつひとつの積み重ねで、やない製麺手縒めんの味・歯ごたえ、舌触りの良さを支えています。